【メヴィ・ダイエット⑤】体温を上げる食材について1
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ダイエットインストラクター清水一成です。
2008年からダイエットの「やり方」と「その続け方」についてメールマガジンを通してお伝えしてきました。
痩せたい人やダイエットが続かない人の役に立つ、ダイエットの本当のところを配信していきます。
さて、お気づきでしょうか?
『メヴィ・ダイエット』では、ここまで「何かを食べないでください」とか「減らしてください」という話を一切していません。
ダイエットマニュアルなのに、「あれを食べてください」「これを摂ってください」と、新たに摂り入れるものばかりをお伝えしています。
これって一体どういうことでしょうか?
それはつまり「体が整わないと、痩せることはできない」ということです。
そして「整うということでいうと、今回お伝えするのは、体温を上げる食材です。
なぜ体温を上げる必要があるのか?
ダイエット的にいうと、その方が「痩せやすくなる」からです。
クイックスタートガイドなので説明は簡単にしますが、人間の体は表面の体温が36度5分から37度の間にあると、ビタミンやミネラルなどの栄養素が一番活発に機能します。
つまり体温が36度5分未満ですと、これまでお伝えした食材を摂っても、それがうまく働いてくれないということです。
もちろん、まったく機能しないということはないですよ。
スイッチのオンとオフではないので、36度5分になった途端にいきなり働かないわけではありません。
ですがどうせならうまく働かないよりも、一番効果のある状況でダイエットをした方が、痩せるスピードもグンッと早くなります。
それから体温を上げる必要性を、健康面から見た場合。
それは体温が高いと、免疫力が上がり、特に日本人の死因第1位である「ガン」になりにくくなるということです。
ガンが一番活性化するのは、表面体温で35度だと言われています。
ご存知の方も多いかと思いますが、ガンになりうる変異細胞は毎日生まれていますが、人間の免疫力によって活性化せずに死滅させています。
ですが体温が35度に近づくほど、体の機能が落ちていき、あわせて免疫力も落ちるので、ガンをはじめとしたウィルス性の病気にもかかりやすくなってしまいます。
そうならない為にも、つまりダイエット的にも健康の面からも、「体温を上げること」は良い効果ばかりだということです。
逆に、体温が低いままでいると、いつまで経っても痩せにくい上、病気にもかかりやすくなるので、体温が低いと百害あって一利なしなんですね。
さてここからは、「それではどうすれば体温は上がるのか?」という話をして行きたいと思います。
現在の日本人の体温は、50 年前に比べて平均 0.7 度下がっていると言われています。
また、その原因は以下の3つだと言われています。
◆筋肉量の低下
生活が便利になり運動量が低下した結果、人間の最大の発熱器官である筋肉の量が減少し、
熱が生産されにくくなってしまった
◆エアコンの普及
エアコンの普及によって、夏でも汗をかきにくくなり、脳の体温を調節する働きを鈍くしてしまった
◆ストレスの複雑化
ストレスによって分泌されるホルモンが筋肉を分解するため、ストレスを感じる人ほど筋肉量が減り、熱を生産しにくくなる
たしかにこれらも原因の一つだとは思います。
ですが、もっともっと根本的な原因があります。
そう、私の好きな「扇の要」になる大きな要因があるんです。
「クイックスタートガイド」ですので、今回もさっさと答えを言ってしまいますね。
根本的な原因・・・
それが「塩不足」です。
現在の日本人の多くは塩が不足しているのです。
これは現在、ちまたで言われていることとは真逆のことですよね。
おそらくあなたは、「だって塩分って体に悪いんじゃないの?」「体に悪いと思ってたから減らしてきたのに」と思っていることでしょう。
たしかに長い間、塩のとり過ぎは体に良くないと言われてきました。
塩を減らす為に多くの商品が出回っています。
ですがもし、塩が体に良くないと結論付けられた研究が間違っていたらどうでしょう?
研究のやり方がずさんで、大雑把で、信用するに値しない場合だとしても、一旦世の中に流布されると、それが正しいと信じられてしまいます。
そしてこの「塩」に関しては、その「やり方が間違え」ていて、「大雑把」で、「信用に値しない」はずの研究が、世の中に広まってしまった為、戦後75年以上経った今でも、ほとんどの人が塩分を減らすべきだと思いこんでいます。
これを読んでいるあなたも、恐らくその思い込みが強いと思います。
そこで、クイックスタートガイドではありますが、これまでの「プロテイン」「MCTオイル」「ビタミンD3」よりも今回は少し丁寧にお伝えしたいと思います。
そもそも塩には、水分を温める力があります。
淡水(塩を含まない水)が凍るのは摂氏0℃ですが、塩分を含む海水はマイナス2℃です。
つまり塩分には、水を2℃温める効果があります。
そして人間の体の60%以上は水分です。
そのことからも、塩分が体を温めることは明白です。
また、アメリカで行われた「25歳から75歳までの20万7千人」を対象とした調査によると、「食塩の量」と血圧や脳卒中、心筋梗塞などの「心臓循環系疾患の死亡率」を比較した末に、意外な結果がでました。
それは、食塩の摂取量が一番多いグループの死亡率が最も低く、逆に食塩摂取量が少なくなるほど死亡率が高くなる、というものでした。
調査の対象人数が数十人や数百人ですと信憑性に欠けますが、20万人もの調査対象者がいるのですから、その信憑性は非常に高いといえます。
さらに、人数は若干減りますが、アメリカのコーエン博士らが1988年から1991年にかけて行われた調査と、その後2000年までの後追い調査の結果です。
塩分の最も少ない25%に属する被験者は、摂取の最も多かった25%に比べて、心臓病による死亡率が80 %高かった」という結果が出ました。
つまり、塩分を控えた方が心臓の疾患のリスクが高まったということです。
では日本ではどうなのでしょう?
まずは食塩摂取量の多い都道府県ですが、山梨県、青森県、福島県、福井県、山形県、長野県、宮城県というように、寒い地方の食塩摂取量は多いと調査で出ています。
これは、塩分は体を温める効果があるため、寒い地方の人は経験的に、塩分の摂取量が多くなる傾向があるということです。
そして、もし塩分と高血圧疾患に関係性があるのであれば、高血圧疾患による死亡率も、上記の食塩接種率の多い県が上位にくるはずです。
ところが実際の高血圧疾患による死亡率が高い都道府県の上位10位の中に、上記の県は一つもありません。
高血圧疾患による死亡率が高い都道府県の食塩接種率の順位は・・・
高血圧死亡率の順位
1位大阪⇒食塩接種率の順位43位
2位群馬⇒食塩接種率の順位12位
3位福岡⇒食塩接種率の順位38位
4位佐賀⇒食塩接種率の順位46位
5位千葉⇒食塩接種率の順位22位
6位沖縄⇒食塩接種率の順位47位
7位愛媛⇒食塩接種率の順位26位
8位三重⇒食塩接種率の順位17位
9位静岡⇒食塩接種率の順位20位
10位兵庫⇒食塩接種率の順位33位
2位の群馬の食塩接種率の順位12位が最高で、残りはすべて低い順位です。
特に6位の沖縄などは、47都道府県中の食塩接種率順位が最下位でありながら、高血圧の死亡率が第6位ということで、もはや食塩摂取と高血圧は関係がないことを示しています。
関係がないというよりは、上記の順位結果と見ると、逆に塩を摂らない方が高血圧になるリスクが高まるといえます。
塩は長年「悪者扱い」されてきましたが、本来は「摂らないと死んでしまう」ものです。
塩にはナトリウムやマグネシウムといった多くの栄養が含まれていて、人が生きていく上で欠かせない成分が多く含まれています。
もう少し詳しくお伝えすると、塩には人体が必要とするミネラル成分のすべてが入っています。
人間に必要なミネラルである、マグネシウム、カリウム、リン、ナトリウム、セレン、銅、亜鉛、鉄、ヨウ素、クロム、マンガン、モリブデン、などの必須ミネラルは、すべて海水に含まれています。
これらのミネラルの何が大切かというと、ミネラルは生命機能や代謝機能などを維持する重要な役割をもっています。
※生命機能(体温を保つことや血圧の維持など)
※代謝機能(食べた物を分解して吸収することも、呼吸をして得た酸素を摂り込んで体内で循環させることも体の中で起こる化学反応はすべて代謝という)
ですがそんな重要な役割であるにも関わらず、人間は体の中でミネラルを作り出すことはできません。
つまり人間が生きていく為に必要なミネラルは、外部から摂り込むしかないわけです。
そしてそれに最も適しているのが「塩」なんですね。
それほど体に必要な塩ですが、塩が体に良いことは、長い間封印されてきました。
逆に塩分は体に悪いと言われ続けてきたわけですが、この間違った認識が広まった原因は、主に2つあります。
一つは戦後の1954年、日本においてGHQのダール博士がおこなった研究です。
これは、東北地方と九州地方を選び、塩の消費量と高血圧・死亡率 について調査をしました。
この時の調査では、鹿児島県の塩分の平均摂取量が14g、そして青森県では2倍28gの塩分が摂られていました。
そして高血圧の発症率についても、鹿児島県が20%なのに対して、青森県は2倍の40%だったそうです。
たしかに、これだけを見るとたしかに塩が高血圧の原因に見えなくもないです。
ですが問題なのは、この時、他の原因を一切探るわけでもなく、上記の数値だけで青森県は塩を多く摂っているから高血圧が多いと結論づけてしまったのです。
そもそも青森は豪雪地帯でと鹿児島は南国のように暖かい気候とはまったく違います。
それに青森の人が塩を多めに摂っていたのは、きちんと理由があります。
先ほどお伝えしたように、塩は体を温める効果があります。
当時は暖房が十分ではなかった為、極寒を乗り越える為に、塩分を多く摂取していました。
それが塩分の摂取量の多さにつながったわけです。
また、高血圧での死亡率についても、寒くて血管が収縮して血圧が上昇しやすいことや、雪の為に1年の半分を運動不足で過ごさなければならないなど、塩分とは別の多くの要因がありました。
ですが、それらの要因はまったく考慮されないまま、「塩分が鹿児島の2倍」と「高血圧の発症率が鹿児島の2倍」をくっつけて、「だから塩分は高血圧の発症要因である」と結論付けられてしまったのです。
そもそも「鹿児島県が20%なのに対して、青森県は2倍の40%」とのことですが、他の都道府県は何%なのかなどを比べないまま出された結果は信頼性に乏しいものだといえます。
さらに、塩分を悪役にしてしまったもう一つの研究は、1972年のメーネリー博士の論文です。
この実験では、10匹のラットに毎日20~30グラムの食塩を摂取させたところ4匹が高血圧になった」そうです。
毎日20~30gというのは、人間に置き換えると毎日約500g(つまり1kgの半分!)の塩分を与えるというものです。
これはスーパーに売られている塩のうち、ガラスやプラスチックの容器に入っているものではなく、棚の下の方にビニールの袋に入って売られているものと同じ量です。
あの量の塩を毎日摂取したらどうなるか?というかなり狂気じみた実験ですが、なんとその中の4匹が高血圧になったそうです!
すごいですねえ!
これだけの塩を与えたのに、たった4匹しか高血圧にならなかったそうですよ。
つまり驚いたことに10匹中6匹は、これだけの塩を与えたにも関わらず、高血圧にはならなかったそうです。
ところがさらに驚くことが・・・
この研究では、10匹中4匹が高血圧になったことで、「やっぱり塩分が高血圧の原因である」と結論付けてしまったのです。
さらにこの実験で用意されたラットは塩に対する血液反応が過敏であることが分かっているラットであったことも後から分かりました。
つまり、塩を食べると高血圧になるという結果を出すために準備をして行われた実験だったのです。
このようなずさんな実験ですが、その結論だけが広く喧伝され、いつの間にか塩は悪者にされてしまいました。
また、時を同じくして、日本中に流通する塩が、本来の伝統的な製法で作られたものから、工場で大量生産されたものに変わってしまったという事実もあります。
塩は、今でこそどこでも手に入りますが、つい100年くらい前までは塩は手に入りにくいものであり、それを求めて奪い合いが起こるほど貴重な食物(しょくもつ)でした。
多くの国が軍資金調達の為に塩に税金をかけていましたが、日本の場合は少し違いました。
日本では税金をかける代わりに、1905年から政府のみが塩の販売を行える専売制度がとられました。
ただ、国が専売しようが、それが良い塩であれば問題はありません。
本来の塩というのは、海水を干潟で干したり、塩田を作り天日干しなど、自然の力で海水に含まれるミネラル成分をそのまま取り込んだ栄養素が豊富なものです。
しかし1971年、日本政府はそれまでの伝統的な自然塩を作ってきた塩田を廃止して、代わりに「精製塩」と呼ばれるものを開発し、それだけを塩と定めて国中に流通させてしまいました。
キャップが赤い小さなガラス容器に「食卓塩」と記載されたものを、今でも使っているご家庭は多いのではないでしょうか。
もしくは「アジシオ」という青いキャップの塩も「精製塩」です。
※正確にいうと、アジシオは精製塩に旨味成分をコーティングしたものです
国が定めた精製塩は、海水から塩化ナトリウムだけを抽出したもので、味も製法も本来の塩とはまったく違い、機械を使って大量生産できるので、言ってしまえば工業製品とほとんど同じものでした。
そして塩化ナトリウム以外の栄養素を取り除いてしまっているので、安くできる分、健康的な観点からみても、非常に疑問が残る「塩の味がする工業製品」が、この国では「塩」として流通してしまったのです。
つまり本来の栄養たっぷりな塩が手に入らずに、代わりに「本来の塩ではないもの」が「塩」として認識されてしまったのです。
2002年になってようやく仕分け変更事業によって国の専売制が解除され、自由に塩が作られることになりました。
しかし塩田が廃止されて30年以上経っていた為、すでに作り手はおらず、自由に作れるようになっても塩作りを再開した塩田はごくわずかでした。
さて、ここまでの話をまとめると、
◆本来の塩は、体に必要な栄養が豊富に含まれていて、人が生きていく上で欠かせない成分が多く含まれている
◆20万人以上のデータを元に「食塩の量」と「心臓循環系疾患の死亡率」を比較した結果、食塩の摂取量が一番多いグループの死亡率が最も低かった
◆塩が体に悪いとされたのは、2つのずさんな研究結果が広く知れ渡ってしまったことが原因
◆また、塩自体も品質の良くないものが流通していて、塩が見直されることは長い間なかった
※2へ続きます